ゲーム以外のサービスを提供するエンタープライズ事業でも黒字化を達成。
株式会社デジタルハーツホールディンス(以下、デジタルハーツHD)は、2022年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月10日に発表した。当第1四半期連結累計期間は、売上高60億9881万円(前年同四半期比19.7%増)、営業利益は6億3646万2000円(同301.3%増)、経常利益は6億7035万6000円(同244.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億8774万7000円(同391.3%増)と大幅な増収増益を達成した。
経営成績に関する説明
デジタルハーツHDの当第1四半期連結累計期間は、エンタープライズ事業では、リモートワークの増加やDXの加速を背景に増加するシステムテストやセキュリティに関する需要を確実に取り込んだことにより、高い成長を継続した。また、エンターテインメント事業では、巣ごもり需要等による市場拡大の追い風を受けタイトル開発が活発化しているコンソールゲーム向けのデバッグ案件の獲得が進んだことにより好調に推移した。
エンタープライズ事業
当セグメントでは、主に、エンタープライズシステムを対象とするシステムテストサービス、セキュリティ検査・監視サービス、システムの受託開発や保守・運用等のITサポートサービスを提供している。
エンタープライズ事業におけるサービス別の売上高は以下のとおり。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告するサービス区分を変更しており、当第1四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分にもとづいて実施している。
・システムテスト
システムテストサービスでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するサービスを提供している。
当第1四半期連結累計期間は、従来得意とするマニュアルテストに加え、テスト自動化をはじめとする多様なサービスを組み合わせた提案型の営業活動を積極化することで、確実に新規案件を獲得してきた。また、日本で受注したテスト自動化案件を、自動化エンジニアが多数在籍するベトナム拠点で対応するなど、ベトナムオフショア拠点の本格稼働に向け、今まで以上にグループ連携を強化してきた。さらに、人材面においては、引き続きテストエンジニアの採用・育成を強化するとともに、CTO主導のLT(ライトニングトーク)イベント等エンジニアの社内交流会や技術勉強会の定期的な開催等を通じ、知見やノウハウのボトムアップをはかってきた。
その結果、当第1四半期連結累計期間のシステムテストサービスの売上高は、10億1801万4000円(前年同四半期比29.2%増)となった。
・ITサービス・セキュリティ
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発や保守・運用支援サービス、セキュリティ監視・検査サービス等を提供している。
当第1四半期連結累計期間は、システムの受託開発、保守・運用、セキュリティサービスすべてにおいて2桁増収を達成した。特にセキュリティサービスでは、リモートワークの拡大や東京2020オリンピック・パラリンピックの開催等を背景にセキュリティ検査・監視の需要が増加したこと等から、前年同四半期比2倍以上の成長を実現した。
その結果、当第1四半期連結累計期間のITサービス・セキュリティサービスの売上高は、10億1157万4000円(前年同四半期比37.5%増)となった。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のエンタープライズ事業の売上高は、20億2958万9000円(前年同四半期比33.2%増)、セグメント利益は8787万1000円(前年同四半期は2152万2000円のセグメント損失)と大幅な増収増益を達成した。
エンターテインメント事業
当セグメントでは、主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等を対象とする国内デバッグサービス、ゲームの翻訳・LQAや2D/3Dグラフィック制作、マーケティング支援といったグローバル及びその他サービスを提供している。エンターテインメント事業におけるサービス別の売上高は以下のとおり。
・国内デバッグ
国内デバッグサービスでは、主に、国内のコンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等を対象に、ソフトウェアの不具合をユーザー目線で検出し顧客企業に報告するサービスを提供している。
当第1四半期連結累計期間における国内ゲーム市場は、コロナ禍による巣ごもり需要の増加等を背景に好調に推移した。特にコンソールゲーム市場においては、新型ハード「PlayStation®5」が昨年発売されたこともあり、新規タイトルの開発が活発化している。このような状況のもと、デジタルハーツHDグループでは、顧客ニーズを的確に捉えた提案型の営業活動に注力するとともに、サービス品質の向上・改善に向けた継続的な取り組みを推進することで、当期発売予定の新規大型タイトル案件を多数獲得した。
その結果、当第1四半期連結累計期間の国内デバッグサービスの売上高は、29億3127万9000円(前年同四半期比9.3%増)となった。
・グローバル及びその他
グローバル及びその他サービスでは、ゲームタイトルを海外展開する際に必要な翻訳・LQAやマーケティング支援等を行うグローバルサービスのほか、ゲームの受託開発・2D/3Dグラフィック制作を行うクリエイティブサービス、総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の運営等を行なうメディアサービスを主に提供している。
当第1四半期連結累計期間は、グローバル・クリエイティブ・メディアすべてのサービスで2桁増収を達成した。特にグローバルサービスにおいては、2021年3月に連結子会社化したMetaps EntertainmentLimitedとのシナジーが早くも発現し、既存子会社における中国企業からの新規案件獲得が増加した。また、2021年6月には、Metaps Entertainment LimitedをDIGITAL HEARTS CROSS Marketing andSolutions Limitedに、その他グループ会社5社も商号を変更し(以下「DIGITAL HEARTS CROSSグループ」)、“DIGITAL HEARTS”ブランドに統一することで、グローバル市場でのプレゼンス向上を目指すとともに、グループ連携をより強化できる体制の構築につとめてきた。
その結果、当第1四半期連結累計期間のグローバル及びその他サービスの売上高は、11億3794万1000円(前年同四半期比28.2%増)となった。なお、DIGITAL HEARTS CROSSグループの業績の取り込みは、当第2四半期連結会計期間からを予定している。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のエンターテインメント事業の売上高は、40億6922万1000円(前年同四半期比14.0%増)、セグメント利益は9億3056万2000円(前年同四半期比79.9%増)と増収増益を達成した。
関連サイト
株式会社デジタルハーツホールディングス
2022年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2022年3月期第1四半期決算説明資料