監修・原案:「ゲーム部!」実行委員会
まんが:森宮鈴
「ゲーム部!」実行委員会公式Twitter: @gamebu_info
■コラム「ゲーム業界に行こう!」:作品(ポートフォリオ)について、さらに掘り下げます!
前回、作品については軽く触れましたが、今回はさらに深く掘り下げてみます。
●個々の現状のスキル・熱意をはかるのが作品(ポートフォリオ)
前々回に触れた内容ですが、各職ごとに求められるのは以下のような作品です。
・企画
ゲームの企画書(必須)。ゲーム制作など経験していれば、仕様書、制作したゲームなど。
・デザイナー
デッサンや、自分が目指す職種(2D、3D等)に合わせたグラフィック作品。イラストやモデリング(データ)、モーションやエフェクトであれば動画など。
・プログラマー
実際に自分が組んだプログラムのソース。内容はゲームを求められることが多いが、ツール等でもOKな会社もある。
採用側は、これらから
①応募者の現状のスキル
②働くにあたっての意欲、熱意
を汲み取ろうとします。
①応募者のスキルに関しては、希望する職種の業務の遂行に可能なレベルに達しているか。もしくは、入社してから習得して、業務可能なレベルに達する見込みがあるのかということです。
●新卒は「やる気重視、のりしろ重視」というけれど……
一般的には、新卒は「やる気重視、のりしろ重視」と言われます。ただし、そのスタートラインが、あまりに後方であれば、業務可能なレベルに達するに時間がかかりますので、採用側は躊躇してしまいます。
例えばですが、デザイナーになりたい学生がいたとして、業務可能なレベルに半年、1年程度で達するであろうと判断できれば採用ラインですが、3年以上かかりそう…となると、ちょっと悩んでしまうわけですよね。
業務ができようとできまいと、社員として雇ったからには給与を払わないといけません。また、一人前に仕事ができるまでに、先輩社員は教えるのに時間を費やすので、一人前になるのに時間がかかりそう…となると、ビジネスとして「割に合わない」と判断されてしまうわけですよね。
②意欲、熱意に関して
良い作品を作るのには、それなりの時間とエネルギーはかかります。学生時代に、それらをやってきているのか? 作品を作る行為に、学生時代の大半を費やしたなら、それなりの数・内容の作品があるはずです。
「ゲーム業界で働きたい」というのが、単なる思いつきや勢いではないか……という点がわかるわけですね。ゲームに関わらず、どんな仕事もシビアな現実が待ち受けています。
その壁にぶち当たった時に、それを乗り越えて行けるのか……、「こんなはずじゃなかった」「考えていたのと違った」「会社が合わない」と言って、離職してしまう人は少なからず存在します。
やってみて初めてわかる事も多くありますので、そういう気持ちになるのもわかるのですが、そんな風に辞められてしまうと、そこまで育ててきた会社にとっては、たまったもんではありません。
ですので、どこまで本気なのかを作品から見極めようとするわけですね。
ゲーム業界で働きたい!というのが本気であれば、そこに向かって準備をしてるはずだし、必要なスキルを磨いてきてるでしょ……?というわけです。
次回は、各職種の作品で押さえるべきポイントを書いていきます。
By かもちゃん先生 @gamebu_info
※このコーナーではゲーム制作におけるお悩みを募集しています。
「ゲーム部!」実行委員会ツイッター( @gamebu_info )にメッセージをお寄せ下さい。
【今回の登場人物】
◆かねこ:「ゲーム部!」リードプランナー。本作主人公。性格は明るく活発で、負けん気が強い。楽しそうな事にノリでとびつくが飽きっぽい。ゲーム作りの魅力に目覚めてきた感じ。が、やはりノリが軽い……。春の和菓子といえば「いちご大福」。
◆アッキー:「ゲーム部!」デザイナー。ホストとよく間違われるが、こう見えて美術部員。「みんなのアイドル☆アッキー」を自称していて、イタい奴だと思われている。打たれ弱い。1-8話で絵の腕前をけなされて以来、ゲーム部に顔を出してなかった。復活は果たしたが、それがいつまで持続するかが気になるところ…。
◆かもちゃん先生:「ゲーム部!」顧問。担当科目は現国。着任早々「ゲーム部!」を立ち上げ、生徒にゲームを作らせようとするなど、かなり強引。元々ゲームプランナー。春の和菓子といえば「うぐいす餅」。
(C)森宮鈴/「ゲーム部!」実行委員会
※この物語はフィクションなので、実在の学校・人物とは一切関係ありません。