IP元や大手ゲーム会社からの協業の打診が集中、既存タイトルの運営効率化と新規開発の選択を進めながら再び成長フェーズへ。
株式会社オルトプラスは、平成29年9月期決算を11月9日（木）に発表。平成29年9月期の業績に関しては、売上高33億円（前期比24.7％増）、営業損失4億1500万円、経常損失3億8000万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億500万円となった。
当期の経営成績の概況
オルトプラスはソーシャルゲームの新規開発及び運営を進めるとともに、他社が開発・運営しているゲームタイトルの運営受託やオフショア開発案件の獲得を進めた。また、ゲームで培った開発技術を活かし、新規サービスの開発や提供の準備を進めたとのこと。
ゲーム事業では、自社オリジナルタイトルの『バハムートブレイブ』を他社へ譲渡するとともに、他社IPを使用した4つの協業タイトルの運営を終了。運営タイトルの選択と集中を進めた。
新規タイトルに関しては、株式会社KADOKAWAとの協業タイトルを第3四半期にリリースし、他社が開発・運営していたIPタイトル1作品の運営を新たに受託したとのこと。この結果、当連結会計年度末において、自社及び他社との協業5タイトル、パブリッシング3タイトル、運営移管4タイトルの運営を担っていると報告した。また、新規タイトルの開発は、株式会社scopesとの合弁会社（株式会社エスエスプラス）を中心に進めており、IP保有会社を含む他社との協業によって、開発に伴う各種リスクの低減をはかっているとのこと。
ゲーム支援事業では、ソーシャルゲーム会社への人材提供を行うなど、ソーシャルゲーム会社におけるゲーム資産価値の最大化をはかるための各種サービスを拡充することにより、案件の獲得を進めてきたと報告。
開発事業では、主にベトナムでのオフショア開発をはじめ、ゲーム開発で培った開発技術を用いて新サービスの開発を進めた。オフショア開発事業では、ベトナムの子会社を開発拠点として他社ウェブサービス等の案件獲得を進めてきた。
新サービスとして、業務提携先である韓国NSHC社が開発したスマートフォンアプリ向け統合セキュリティソリューション「DxShield」を日本国内向けに販売開始。ソーシャルゲームのためのインフラの設計から構築・運用までの全てを網羅する「ゲームインフラマネージメントサービス＜GIMS＞」の提供も開始した。運営中のタイトルに関しては、運営体制の効率化により売上減少に見合う運営費の削減を行い、採算性を維持したとのこと。
ゲーム支援事業や開発事業においては、案件獲得を進めることによって収益増を目指してきたとしており、費用面では、新規タイトルの開発費の増加を抑制するとともに、本社オフィス集約等による賃借料等の削減や人員の適正配置等により管理費の削減を進めてきたとのこと。
しかし、新規タイトルの開発費、新規事業等の費用及び管理費などが、運営タイトル等から得られる利益を上回って推移。また、当連結会計期間において、為替の変動に伴う為替差益2012万円を営業外収益として計上する一方、特別損失として投資有価証券評価損9048万円を計上するとともに、繰延税金資産の取り崩しなどによって、法人税等調整額1億3040万円を計上。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は33億23万円(前年同期比24.7％増)、営業損失は4億1534万円(前期は5億9170万円の営業損失)、経常損失は3億8041万円(前期は6億4734万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億559万円(前期は15億4075万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。
また、資金面に関して、平成29年2月23日にマッコーリー・バンク・リミテッドを割当先とする行使価額修正条項付第4回新株予約権（24500個）を発行。当連結会計期間においてすべての行使が完了した結果、新株予約権の対価と合わせて22億1003万円を新たに調達したと発表。調達した資金は、協業案件獲得のためのライセンス使用許諾料及び開発・運営費用、他社タイトルの運営移管受託に係る運営費用、他社タイトルの買取費用及びオフショア開発事業に充当するとのこと。
今後の見通しに関して平成30年9月期は、新規タイトルの開発における進捗並びに工数管理を徹底化することにより、リリースが遅延するリスクを低減させるとともに、他社タイトルの運営移管及びオフショア開発等の営業活動を進めることにより収益を拡大。
また、費用面で運営タイトルの運営効率化及び新規開発の選択により運営・開発費の増加を抑制するとともに、人員の適正配置により管理費の継続的な削減および抑制を進め、早期の黒字転換を目指すと発表。
