古書販売にも注力していた書店。消費者の本離れや本社不動産への投資負担で資金繰りが悪化。
株式会社天牛堺書店(以下、天牛堺書店)が、1月28日に大阪地裁堺支部に破産申請し、同日破産開始決定を受けたことが、株式会社東京商工リサーチのTSR速報で明らかになった。負債総額は約18億円。
天牛堺書店は書籍や雑誌などの新刊書をはじめ、古書の販売にも注力し、地元堺市内を中心に南海電鉄沿線の駅構内や駅前などに出店。直近では12店舗を展開していた。
古書が充実しているのが特徴で、南大阪地区では知名度が高く、通勤通学のサラリーマンや学生などが主要顧客。ピーク時の平成11年5月期には売上高約29億900万円を計上していた。
その後、消費者の本離れの影響により、30年5月期の売上高は約16億8000万円にまで低下し、長期低落傾向に陥り、採算性も低調に推移していた。加えて、本社不動産に対する投資負担が大きく、出店に係る資金負担、売上低減と損益悪化などに伴う影響もあり、資金繰りは多忙化していたという。
主要取引先からの支援を受け入れるとともに、金融機関から借入金の返済条件緩和といった措置などを受けていたが、支えきれずに今回の措置となった。