各事業で売上減少も、販管費圧縮でセグメント損失の幅を縮小。人気コンテンツでの動画配信では広告受注数が増加。
AppBank株式会社（以下、AppBank）は、平成30年12月期決算を2月14日（木）に発表した。当期の連結経営成績については、売上高は14億2300万円（前期比22.2％減）、営業損失は2億1300万円、経常損失は2億1600万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億5000万円だった。
経営成績に関する説明
AppBankグループは、メディア事業とストア事業の2種のセグメントを軸にビジネスを展開。
当連結会計年度のAppBankグループについては、黒字化に向けた企業体質の強化に努めた。メディア事業では、動画の視聴者層拡大や広告出稿企業への営業強化、ストア事業ではコスト管理の一層の徹底やニーズに沿った商材提供などの施策を行なった。
また、新規開発費用を含む営業費用を抑制したことで、利益指標における損失額は前期と比べ縮小した。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高14億2323万円（前期比22.2％減）、営業損失2億1377万円（前同期は営業損失2億6942万円）、経常損失2億1631万円（前同期は経常損失2億7523万円）、親会社株主に帰属する当期純損失2億5003万円（前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失4億5922万円）だった。
セグメント毎の業績は以下。
メディア事業
サイト運営やスマートフォンアプリの開発・運営、インターネット動画配信、アドネットワーク運営、これらと連動する広告枠販売などのビジネスを行なっている。
サイト運営では、中核メディアサイト「AppBank.net」をはじめ、攻略サイト「パズドラ究極攻略」「モンスト攻略」などを提供。
動画配信では、「YouTube」や「niconico」を通じて、チャンネル登録者155万人の「マックスむらいチャンネル」、ゲーム攻略が好評の「AppBankTV」、ゆるい動画をお届けする「あっぷばんく」などを提供、公開中。「マックスむらいチャンネル」では、好評コンテンツのシリーズ化により視聴回数は回復、広告受注数も増加傾向にある。
ゴルフに特化した新感覚メディア「ringolf」は、チャンネル登録者数が12月末時点で10万人に達し、視聴者参加型ゴルフコンペ「ringolfオープン2018」は毎回多くの参加者が集まった。広告収入主体のビジネスモデルから、イベント催行やアパレルの販売などに軸足を移すことでビジネスの幅を拡大している。
営業面では、アドネットワーク分野の広告や動画広告が増加した一方で、純広告、広告プラットフォーム事業は低迷し、売上が減少した。
営業損失については、新規事業の開発費用を含む製造原価の抑制、販管費圧縮により改善した。
上記の結果、売上高5億4978万円（前年同期比35.4％減）、セグメント損失1億8827万円（前年同期はセグメント損失2億1453万円）となった。
ストア事業
「AppBank Store」のEコマースサイトや店舗にて、スマートフォンアクセサリーをはじめとするグッズを販売。スマートフォンユーザーのライフスタイルをより豊かにするため、モバイル保険やiPhone修理等のサービスを展開している。
「AppBank Store Web店」では、ユーザビリティ改善を目的に、Eコマースサイトをリニューアル。顧客ニーズにあった幅広い商品の提供による需要喚起、楽天モールへの出店といった販売チャネル増などの施策に加え、新規端末発売における関連商品の売上計上により、前年同期を上回る実績となった。
常設店舗については、2018年7月にスマートフォンアクセサリーのセレクトショップとiPhone修理店の併設店「AppBank Store×Sma-cle吉祥寺」をオープン。一方で、前期に不採算店舗などを閉鎖したことで、「AppBank Store」常設店舗数は前年同期の7店舗から6店舗に減少した。既存の5店舗はいずれも増収となり、営業利益を確保している。
iPhone修理店「Sma-cle」については、2018年12月末時点で常設店5店舗、インショップ展開の2店舗を加えた7店舗でサービスを提供中。
営業面では、店舗数減少などにより売上高は減少。
利益面では、Eコマースサイトや設店舗の伸長、販管費圧縮により、第4四半期連結会計期間はセグメント利益がプラスに転じ、営業損失は縮小した。
上記の結果、売上高は8億9601万円（前年同期比11.2％減）、セグメント損失は2769万円（前年同期はセグメント損失6690万円）となった。
