ゲームを中心とするエンターテインメントコンテンツが増進。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は軽微。
日本エンタープライズ株式会社(以下、日本エンタープライズ)は、2020年5月期決算短信(連結)を7月10日(金)に発表した。当連結会計年度における売上高は35億8800万円(前期比5.1%増)、営業利益は2億7200万円(同12.7%増)、経常利益は3億1500万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億8000万円(同84.3%増)となった。
経営成績に関する説明
日本エンタープライズグループとしては、コンシューマ向けスマートフォンアプリ、システム開発、デバッグ、クラウド、業務効率化アプリなどのサービスを推進し、事業規模及び収益拡大につとめてきた。
新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響については、法人向け「ビジネスサポートサービス(クリエーション事業)」「ソリューション事業」の案件において、総じて新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が深刻化する前に受注した案件、もしくはその兆候がみられてからもキャンセルや大幅な縮小が少なかったこと、一般消費者向け「コンテンツサービス(クリエーション事業)」で在宅での消費活動や在宅勤務による「巣ごもり消費」が活況となっても、需要が期待できる環境であったことなどから、グループの業績に与える影響は軽微な状況となった。
セグメント毎の業績は以下。
クリエーション事業
日本エンタープライズが保有する権利や資産を活用したサービスを提供している。
一般消費者向け「コンテンツサービス」において、通信キャリアが運営するプラットフォーム市場が縮小する中、引き続き、定額制コンテンツでの効率的な運用で収益確保をはかるとともに、App StoreやGoogle Playなどの通信キャリア以外が運営するプラットフォームでのコンテンツの利用促進及び新タイトルの投入の結果、ゲームを中心とするエンターテインメントコンテンツが増進した。
また、鮮魚eコマース『いなせり市場』において、外出自粛に伴う外食を控える動きの中、利用者増加に取り組んできた。
法人向け「ビジネスサポートサービス」においては、企業による業務効率化やクラウド活用が進む中、交通情報や教育、観光、調達などの各種サービスの他、自社開発のサービスを活用した受託開発が堅調に推移した。特に、キッティング支援においては、企業におけるスマートフォンをはじめとした端末の買い替え需要に伴い同マーケットが拡大する中、キッティングRPAツール『Kitting-One』等の支援ツールの導入を大手企業中心に促進させた結果、大きく伸長し、2018年5月期のセグメント変更以降、当連結累計期間において最高の売上高を更新した。
一方、飲食事業者向け鮮魚eコマース『いなせり』においては、東京魚市場卸協同組合と連携し、出品数の増大、飲食事業者開拓に取り組んできたが、外食を控える動きの影響を受けた飲食事業者からの注文が減少した。
その他、引き続き、ブロックチェーンを活用した電力取引等の実証事業に継続して取り組んできた。
上記の結果、売上高は20億4700万円、セグメント利益は6億3600万円となった。
ソリューション事業
法人向けシステムの受託開発・運用サービスが主な業務をして事業を行なっている。
「システム開発・運用サービス」においては、企業のIT投資による市場拡大の状況下、スマートフォンアプリ及びサーバ構築の豊富なノウハウと実績が評価され、スクラッチ開発を中心としたアプリ開発、WEB構築、サーバ構築、システム運用・監視、デバッグ、ユーザーサポートなどクリエーション事業で培ったノウハウを活かした受託開発を推進してきた。
また、深刻化している人手不足問題にマッチした業務支援サービスが伸長した他、新たな事業領域であるAI、IoT、セキュリティ関連サービスの開拓を推し進めてきた。
一方、今後拡大が見込まれる端末周辺事業を創出するべく、クリエーション事業で注力しているキッティング支援を核に、中古端末(スマートフォン等)買取販売の拡大と共にさらなるビジネスモデルの構築につとめてきた。
上記の結果、売上高は15億4000万円、セグメント利益は1億9200万円となった。