エイチーム、新規ゲーム開発への投資で大幅減益 営業利益54%減の12億円 2020年7月期決算短信(連結)

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新型コロナウイルスがライフスタイルサポート事業に影響して減収減益。加えて新規ゲーム開発への先行投資で大幅に利益減。

株式会社エイチーム(以下、エイチーム)は、2020年7月期決算短信(連結)を9月11日(金)に発表した。当連結会計年度の売上高は317億3900万円(前連結会計年度比14.6%減)、営業利益は12億7300万円(前連結会計年度比54.7%減)、経常利益は12億4900万円(前連結会計年度比55.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は5億1900万円(前連結会計年度は14億7300万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となった。

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経営成績に関する説明

エイチームグループは、「人と人とのつながりの実現」をテーマに、世界中の人々に娯楽を提供するゲームやツールアプリケーションの企画・開発及び運営を行なう「エンターテインメント事業」、人生のイベントや日常生活に密着し、有益な情報を提供する様々なウェブサービスの企画・開発及び運営を行なう「ライフスタイルサポート事業」、完全組立自転車をオンラインで販売し、自宅までお届けする自転車専門通販サイトの企画・開発及び運営を行なう「EC事業」の3つの事業軸でビジネスを展開している。

2020年7月期は、EC事業においてフルフィルメントの改善及び新型コロナウイルス感染症の影響(以下「コロナ影響」という。)で自転車の需要が高まり、前期比で大幅に増加するも、エンターテインメント事業において既存タイトルが減収し、ライフスタイルサポート事業においてコロナ影響で利用件数が減少したことにより、連結売上高は前期比で減少した。

営業利益及び経常利益については、エンターテインメント事業における新規ゲームの開発費を先行して計上したため、前期比で大幅に減少した。また、特別損失として、第3四半期連結会計期間においてIncrements株式会社に係るのれん、商標権の減損損失を計上したことにより、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失となった。

当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおり。

エンターテインメント事業
エンターテインメント事業では、自社で開発したスマートデバイス向けゲームアプリケーション(以下「ゲームアプリ」という。)をApple Inc.が運営するApp Store及びGoogle Inc.が運営するGoogle Play等の専用配信プラットフォームを通じて、世界中の人々に提供している。ゲームアプリ自体は基本無料で提供しており、主な売上はユーザーがゲームをより効率よく優位に進めるためのアイテム購入代金となっている。

近年のグローバルにおけるゲーム市場環境及びユーザーニーズの変化、そして技術の進化等を踏まえ、エンターテインメント事業はスマートフォンゲーム専業から脱却し、グローバルのデジタル配信ゲーム市場(モバイルゲーム、PCゲームデジタル配信、家庭用ゲームデジタル配信)全体をターゲットに、グローバルで人気のIPと連携し、展開することを中長期方針とし、さらなる成長を狙っていく。

2020年7月期においては、引き続き既存ゲームアプリの効率的な運用を進めながら、2020年6月にクリプトン・フューチャー・メディア株式会社と協業しスマートフォン向けカジュアルゲーム『初音ミク -TAP WONDER-』を全世界でリリースした。

なお、既存ゲームアプリは引き続き減少傾向にあり、前期比で減収となっている。セグメント利益についても、開発中の新規大型IPゲームの開発費を先行して計上したことにより、前期比で大幅に減少した。

以上の結果、当連結会計年度におけるエンターテインメント事業の売上高は84億5000万円(前連結会計年度比32.8%減)、セグメント利益は7億7600万円(前連結会計年度比49.3%減)となった。

ライフスタイルサポート事業
ライフスタイルサポート事業では、様々な事業領域において個人の利用者に向けてサービスを展開する事業者と提携し、「三方よし」のサービス理念のもと、人生のイベントや日常生活に密着した比較サイト・情報サイト等様々な便利なウェブサービスを展開している。

2020年7月期より、サブセグメント区分を「デジタルマーケティング支援ビジネス」と「プラットフォームビジネス」の2つに変更した。

「デジタルマーケティング支援ビジネス」は、オウンドメディア等を通じて、提携事業者へ見込顧客を送客するデジタルマーケティング支援を中心に、スピーディに事業を横展開できる特徴を持っている。個人の利用者へは基本無料で提供しており、主な売上はパートナー企業に当該利用者を見込顧客として紹介することに対する紹介手数料及び成約報酬となっている。

「プラットフォームビジネス」はアプリケーションやウェブサイトなどを通じて情報を集めた「場」を提供し、ユーザーデータの蓄積と活用、そして独自価値の向上により、市場での優位性を構築し、さらにデータを活用したソリューションを提供することで、価値向上のサイクルをはかっていく。主な売上は広告収入や有料会員向けの利用料、ツールやEC等のソリューション提供によるもの。

当連結会計年度におけるライフスタイルサポート事業の売上高は200億9300万円(前連結会計年度比10.8%減)、セグメント利益は18億9600万円(前連結会計年度比39.5%減)となった。

EC事業
EC事業では、東海、関東、関西3カ所に物流倉庫を構え、国内外から仕入れた200種類以上の完成品自転車を専属のプロ整備士により整備を行い完全組立自転車としてオンラインで販売、自宅まで届ける独自性の高い自転車専門通販サイトを展開している。

主な売上は自転車の販売によるもの。

2020年7月期においては、オペレーション効率の改善及び品揃え・プライシングの見直し等が功を奏し、売上高が前期比で大幅に増加した。セグメント利益に関しては、第3四半期連結会計期間以降は四半期で黒字化を実現するなど、収益性が大幅に改善した。

コロナ影響における、「三密」を避ける外出手段として自転車の需要が高まったことが追い風になったと考えている。

当連結会計年度におけるEC事業の売上高は31億9600万円(前連結会計年度比56.0%増)、セグメント損失は4300万円(前連結会計年度は210百万円の損失)となった。

関連リンク

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