スターツ出版、電子書籍の好調も施設予約サービスなどの苦戦で減収減益 営業利益1.6億円 2020年12月期決算

スターツ出版

コロナ禍で施設予約サービスや広告に関する売上が減少。投稿コンテンツドメインは電子コミックの好調で増収増益。

スターツ出版株式会社は、2020年12月期決算短信(非連結)を2月10日(水)に発表した。当事業年度の売上高は44億3400万円(前期比9.5%減)、営業利益は1億6900万円(同70.6%減)、経常利益は2億6200万円(同61.4%減)、当期純利益は1億7300万円(同58.2%減)だった。

スターツ出版 決算

経営成績に関する説明

東京マーケティングドメイン
東京圏でオリジナルのマーケティング・モデルを創造する戦略のもと、「厳選店舗マーケティング」と「体験価値マーケティング」を軸に事業を展開してきた。

「厳選店舗マーケティング」では、「オズモール(会員数350万人)」の成功報酬型の施設予約サービス「オズのプレミアム予約」により、独自基準で厳選したビューティサロン、ホテル、レストランなどの利用予約サービスを提供している。当事業年度の送客手数料売上については、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛要請、掲載施設の休業、営業時間短縮の影響を大きく受け、5月の緊急事態宣言の解除後は一時緩やかな回復傾向にあったが、感染再拡大により再び需要が低迷したことで、前事業年度比で大きく減少した。

「体験価値マーケティング」では、「オズモール」や女性向けライフスタイル誌「オズマガジン」、フリーマガジン「メトロミニッツ」などのメディアを展開している。当事業年度は、SBSコミュニティ「東京女子部」によるインフルエンサーマーケティングと連動したPRや販促ソリューションの提案などに注力したが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、雑誌やWeb広告の掲載、イベントの中止、延期、雑誌の発行みあわせなどが発生したことで、売上が減少した。

上記の結果、売上高は22億500万円(前期比32.4%減)、営業損失は4億5400万円(前期は営業利益2億1800万円)となった。

投稿コンテンツドメイン
「野いちご」などのターゲット別小説サイトの運営とその人気投稿作品を中心とした書籍、コミックの発行を継続的に行なっている。

当事業年度は、社内で人員をシフトし、書籍やコミックの発行点数の増加、新レーベルの創刊、SNSなどを活用した販促施策に注力してきた。

書籍については、これらの施策効果により「スターツ出版文庫」「ベリーズ文庫」などの売上が好調に推移し、売上高が増加した。

「スターツ出版文庫」では、2016年7月に刊行した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(汐見夏衛著)』が、2020年6月の読者のSNS投稿をきっかけに話題になったことで、半年間で10.4万部を増刷するヒット作となった。新たな取組みとしては、6月に単行本レーベル「ベリーズファンタジー」、8月に児童文庫レーベル「野いちごジュニア文庫」を創刊し、両レーベルともに売上に寄与している。

コミックに関しては、発行点数の増加等により「ベリーズコミックス」が電子と紙の売上が好調に推移した。2019年6月創刊した電子コミック誌「noicomi」の掲載作品の単行本化の貢献で、売上高が増加した。

利益面では、利益率の高い電子コミックと電子書籍の売上が伸びたこと、同じく利益率の高い紙の書籍の重版が増加したことで、利益率が上昇した。

上記の結果、売上高は22億2900万円(前期比35.8%増)、営業利益は7億1200万円(同59.0%増)となった。

関連サイト

スターツ出版株式会社公式サイト
2020年12月期決算短信〔日本基準〕(非連結)

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