DX化の加速などの需要拡大でエンタープライズ事業が黒字化。エンターテインメント事業ではコンソールゲーム向けサービスが好調。
株式会社デジタルハーツホールディングス(以下、デジタルハーツHD)は、2022年3月期第2四半期決算短信[日本基準](連結)を11月9日に発表した。当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高134億9898万3000円(前年同四半期比28.2%増)、営業利益13億7020万1000円(同159.7%増)、経常利益14億3132万2000円(同151.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億1758万1000円(同157.9%増)となった。
経営成績の説明
デジタルハーツグループでは、注力事業と位置付けるエンタープライズ事業において、これまで構築してきた人材・技術・顧客基盤をより強固なものへと進化させることで、引き続き高い成長を目指している。当第2四半期連結累計期間においては、継続案件や大型案件の獲得に向け、提案型の営業ができる人材の育成や新しい営業体制の構築につとめてきた。また、引き続き社内エンジニアの採用・育成に注力するとともに、ベトナム拠点の自動化エンジニアやM&Aにより2021年6月に子会社化した株式会社アイデンティティーが有するフリーランスエンジニアのグループ活用に向けた取り組みを推進した。
一方、主力のエンターテインメント事業では、国内デバッグサービスにおいて、テストセンターであるLab.の業務効率化やコスト構造の見直しを強化することで、収益性の改善をはかってきた。また、新たな成長の柱と位置付けるグローバルサービスにおいては、M&Aにより子会社化したDIGITAL HEARTS CROSS Marketing and Solutions Limited(旧:Metaps Entertainment Limited)とのシナジーの早期発現に向けグループ連携を強化してきた。
その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、エンタープライズ事業・エンターテインメント事業ともに高い成長を達成するとともに、M&Aの効果もあり、134億9898万3000円(前年同四半期比28.2%増)となった。また、利益面においても、エンタープライズ事業において利益体質への転換がはかれたことに加え、エンターテインメント事業の収益性改善に向けた取り組みの効果が発現したこと等から、営業利益は13億7020万1000円(同159.7%増)、経常利益は14億3132万2000円(同151.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億1758万1000円(同157.9%増)と大幅な増益を達成致しました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおり。
エンタープライズ事業
当セグメントでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するシステムテストサービス、システムの受託開発や保守・運用、セキュリティ検査・監視の提供を行なうITサービス・セキュリティサービスを提供している。
エンタープライズ事業におけるサービス別の売上高は以下のとおり。なお、第1四半期連結会計期間より、報告するサービス区分を変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいて実施している。
(ⅰ)システムテスト
システムテストサービスでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するサービスを提供している。
当第2四半期連結累計期間においては、近年増加するテスト自動化需要の獲得に向け、米国子会社のLOGIGEAR CORPORATIONやアライアンスパートナー各社が有する自動化ツールを活用した提案営業を積極的に展開した。また、自動化の提案をフックに、従来当社グループが得意とするマニュアルテストや脆弱性診断といった品質向上に関する多様なサービスを顧客ニーズに合わせ柔軟に提案することで、新規顧客開拓及び既存顧客との取引拡大を実現した。さらに、事業拡大に必要不可欠なエンジニアに対する継続的な投資を行なうとともに、グループ連携を強化することで、ベトナム拠点のエンジニアやフリーランスエンジニア等の活用本格化に向けた取り組みを推進した。
その結果、当第2四半期連結累計期間のシステムテストサービスの売上高は、21億6240万9000円(前年同四半期比38.1%増)となった。
(ⅱ)ITサービス・セキュリティ
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発や保守・運用支援サービス、セキュリティ監視・検査サービス等を提供している。
当第2四半期連結累計期間は、システムの受託開発、保守・運用、セキュリティサービスすべてにおいて2桁増収を達成した。特にセキュリティサービスでは、リモートワークの拡大や東京2020オリンピック・パラリンピックの開催等を背景にセキュリティ検査・監視の需要が増加したこと等から、前年同四半期比約2倍の成長を実現した。
その結果、当第2四半期連結累計期間のITサービス・セキュリティサービスの売上高は、当期実施したM&Aの効果もあり、27億62万5000円(前年同四半期比80.2%増)となった。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のエンタープライズ事業の売上高は、48億6303万4000円(前年同四半期比58.7%増)と大幅な増収を達成したほか、セグメント利益は2億3281万6000円(前年同四半期は2884万5000円のセグメント損失)と安定的に利益を創出し、前期の赤字から黒字化を実現した。
エンターテインメント事業
当セグメントでは、主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等の不具合を検出する国内デバッグサービス、ゲームの翻訳・LQA(※)や2D/3Dグラフィック制作、マーケティング支援等を行なうグローバル及びその他サービスを提供している。※Linguistic Quality Assuranceの略で、翻訳されたテキストや構成の品質を確認すること。
エンターテインメント事業におけるサービス別の売上高は以下のとおり。
(ⅰ)国内デバッグ
国内デバッグサービスでは、主に、国内のコンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等を対象に、ソフトウェアの不具合をユーザー目線で検出し顧客企業に報告するサービスを提供している。
当第2四半期連結累計期間は、巣ごもり需要の増加等を背景に、コンソールゲーム市場を中心に新規タイトルの開発が活発化致しました。デジタルハーツグループでは、このような市場環境のもと、積極的な営業活動やサービス品質の向上・改善に向けた継続的な取り組みを推進することで、当期発売予定の新規大型タイトル案件を多数獲得した。また、テストセンターであるLab.の業務改革やコスト構造の見直し等を強化することで、収益性の改善をはかってきた。
その結果、当第2四半期連結累計期間の国内デバッグサービスの売上高は、59億6172万9000円(前年同四半期比7.8%増)となった。
(ⅱ)グローバル及びその他
グローバル及びその他サービスでは、ゲームタイトルを海外展開する際に必要な翻訳・LQAやマーケティング支援等を行なうグローバルサービスのほか、ゲームの受託開発・2D/3Dグラフィック制作を行なうクリエイティブサービス、総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の運営等を行なうメディアサービスを主に提供している。
当第2四半期連結累計期間は、グローバル・クリエイティブ・メディアすべてのサービスで2桁増収を達成した。特にグローバルサービスにおいては、2021年3月に連結子会社化したDIGITAL HEARTS CROSS Marketing and Solutions Limited (旧:Metaps Entertainment Limited)の業績が第2四半期会計期間より連結開始されたほか、顧客基盤の共有といったグループ連携を開始したことにより、グローバルサービス全体での新規案件が増加した。
その結果、当第2四半期連結累計期間のグローバル及びその他サービスの売上高は、26億7421万8000円(前年同四半期比38.0%増)となった。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のエンターテインメント事業の売上高は、86億3594万8000円(前年同四半期比15.7%増)、セグメント利益は19億629万5000円(同56.6%増)と増収増益を達成した。
関連リンク
株式会社デジタルハーツホールディングス
2022年3月期第2四半期決算短信[日本基準](連結)
2022年3月期第2四半期決算説明資料