主力の韓国セグメントの減収が業績に打撃。ツリーフルの子会社化でツリーハウス事業を開始。
株式会社ガーラ(以下、ガーラ)は、2022年3月期第2四半期決算短信(日本基準)[連結]を11月16日に発表した。当第2四半期連結累計期間における経営成績の概況は売上高2億3009万4000円(前年同四半期比23.2%減)、営業損失2億5116万4000円(前年同四半期営業損失1億7514万3000円)、経常損失2億8112万1000円(前年同四半期経常損失1億7591万6000円)、親会社株主に帰属する四半期純損失2億6753万6000円(前年同四半期親会社株主に帰属する四半期純損失1億7098万1000円)となった。
経営成績の説明
ガーラ及び連結子会社の当第2四半期連結累計期間における経営成績の概況は、連結売上高2億3009万4000円(前年同四半期比23.2%減)となり、減収となった。
これは、主にスマートフォンアプリ事業の売上高が前年同四半期と比較して減少したことによるもの。
また、スマートフォンアプリ事業の売上高の減少に伴う支払ロイヤリティの減少により売上原価が減少している。
販売費及び一般管理費につきましては、前年同四半期と比較して『Rappelz(ラペルズモバイル)』に係るアウトソーシング費用が増加したことから、増加となった。
セグメントごとの経営成績の概況は、次のとおり。
日本
日本セグメントでは、2020年9月に『Arcane(アーケイン)』英語版についてサービス提供を終了したことによる売上高の減少があったものの、クラウド関連事業の売上の増加により、前年同四半期と比較し売上高(内部取引を含む)が増加した。
なお、クラウド関連事業は、韓国のMegazone社グループのクラウド事業の日本展開に関して、日本国内の営業サポート業務、運営サポート業務、採用及び人事管理サポート業務、イベントサポート業務を行なっている。
費用面では、主に株式報酬費用の減少により販売費及び一般管理費が減少した。
これらの結果、日本セグメントにおける売上高は3027万5000円(内部取引を含む)と前年同四半期比で670万8000円(28.5%)の増加となり、セグメント損失が7800万6000円(前年同四半期は1億1483万7000円の損失)となった。
なお、ガーラは、2021年4月2日開催の取締役会において、株式会社ツリーフルが実施する第三者割当増資の引受及び同社を子会社化することについて決議し、2021年4月30日に同社の株式を取得した。これに伴い、ガーラグループは、ツリーハウスリゾート事業を新規事業として開始した。
ツリーハウスリゾート事業は、連結子会社株式会社ツリーフルが沖縄県名護市で行なっているツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスをひとつのセットにして宿泊者に提供するリゾート事業となっている。株式会社ツリーフルは、2021年7月に「旅館業法に基づく旅館業営業許可申請」が許可され、日本で初めて宿泊料を受けて宿泊が可能なツリーハウスリゾートとして2021年8月にオープンした。
ツリーハウスリゾートのコンセプトは、「サステイナブル(持続可能な)リゾート」であり、化石燃料を使用せず、代わりに電気を使用し、使用量よりも多くの太陽光発電により持続可能な社会を構築することを目指している。
ガーラグループは、ツリーハウスリゾート事業について成長戦略を見出し、グループの企業価値向上を目指していく。
韓国
韓国セグメントでは、スマートフォンアプリ事業において、連結子会社Gala Mix Inc.が開発した歩数計アプリ『winwalk(ウィンウォーク)』、スマートフォンアプリ『wingift(ウィンギフト)』及びスマートフォンアプリ『winQuiz(ウィンクイズ)』について、グローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めており、売上高が順調に推移したものの、連結子会社Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ『Flyff Legacy(フリフレガシー)』について、2021年1月において、韓国のWAY2BIT Co., Ltd(Friends Games Corp.との合併により現:Friends Games Corp.)とライセンス及び運営権の譲渡契約を締結したことにより前年同四半期と比較し売上高(内部取引を含む)が減少した。
なお、Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ『Rappelz (ラペルズモバイル)』については、マーケティング会社等とのリリース日の調整によりリリースが遅延したものの、2021年10月にアメリカでのサービス提供を開始した。現在、グローバルエリアにおけるリリースに向けて準備を進めている。サービス開始予定は、EUが2022年3月期第4四半期、韓国が2023年3月期第1四半期、アラビア語圏が2023年3月期第2四半期を予定している。
一方、オンラインゲーム事業では、Gala Lab Corp.の主力ゲーム『Flyff Online(フリフオンライン)』及び『Rappelz Online(ラペルズオンライン)』において、マーケティング効果やライセンス展開及び他社プラットフォームでプレイが可能となるチャネリング展開により新規ユーザーの獲得に注力したことにより、前年同四半期と比較して売上高(内部取引を含む)が増加した。
ライセンス展開においては、ガーラの強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開によるサービス提供として、『Flyff Online(フリフオンライン)』について、2021年6月に台湾のゲーム提供会社DigeamCo., Ltd.によりサービス提供を開始した。
チャネリング展開においては、『Flyff Online(フリフオンライン)』及び『Rappelz Online(ラペルズオンライン)』について、2021年1月に締結した、WAY2BIT Co., Ltd(現:Friends Games Corp.)とグローバルライセンス契約、チャネリング契約及び運営サポート契約に基づき、WAY2BIT Co., Ltd(現:Friends Games Corp.)は、LINE株式会社が提供しているプラットフォーム「LINE POD」により『Flyff Online(フリフオンライン)』及び『Rappelz Online(ラペルズオンライン)』のサービス展開を進めており、2021年6月に日本語版の提供を開始した。これにより、Gala Lab Corp.は、ライセンス収入及び運営サポート収入を得ている。
また、今後の収益貢献への施策として、Gala Lab Corp.は、『Flyff Online(フリフオンライン)』をベースに、ダウンロードが不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲームである『Flyff HTML5』の開発を進めている。
さらに、収益貢献へのもうひとつの施策として、Gala Lab Corp.は、メタバースプロジェクトとして2021年4月にWAY2BIT Co., Ltd(現:Friends Games Corp.)及び韓国エンターテイメント会社Barunson Co., Ltd.とブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム『Flyff World for Metaverse』及び『Rappelz World for Metaverse』の開発契約を締結した。当該メタバースプロジェクトでは、Barunson Co., Ltd.がメタバースの三次元仮想世界を開発・実装することにより、メタバースプラットフォームの提供・運営を行ない、メタバース内で暗号資産「BORA」が利用できるシステムを開発・構築する。WAY2BIT Co., Ltd(現:Friends Games Corp.)はメタバース内で使用可能なブロックチェーン技術開発と技術支援を担当する。Gala Lab Corp.はグローバルサービス提供中のPCオンラインゲーム『Flyff Online』及び『Rappelz Online』のIPを使い、Barunson Co., Ltd.が提供予定のメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム『Flyff World for Metaverse』及び『Rappelz World for Metaverse』の開発・コンテンツ制作及びサービス運営を担当する。また、暗号資産「BORA」の初期流動化投資として「BORA」を購入した。
これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力していく。
費用面では、『Rappelz(ラペルズモバイル)』に係るアウトソーシング費用が増加したことにより販売費及び一般管理費が増加した。
これらの結果、韓国セグメントの売上高は2億1349万3000円(内部取引を含む)と前年同四半期比で8066万8000円(27.4%)の減収となり、セグメント損失が1億6698万4000円(前年同四半期は6073万8000円の損失)となった。