シンガポールで開催された「カジュアルコネクトアジア」では、90作以上のインディゲームが出展された。その中から注目のスマホゲームをピックアップして紹介しよう。
◆『Kill the Plumber』
出展作品群の中で個人的に最優秀賞を進呈したいのが本作だ。タイトルのPlumberとは配管工のことで、さまざまなキャラクターを操作して配管工を倒すという、いわば『スーパーマリオブラザーズ』のパロディになっている点がミソ。とはいえ、ただのジョークゲームではなく、しっかりしたアクションパズルになっている。もともと知る人ぞ知るブラウザゲームだったものが、満を持してスマホに移植されることになった。
操作は画面上の左右キーとABボタンで、さまざまなキャラクターを操作しながら配管工に体当たりしたり、ステージから外に落とせばクリアだ。ただし上から踏みつぶされたり、ゴールにたどり着かれるとミスになる。配管工はステージを自由自在に動き回るので、動きを先読みしながらうまく体当たりするのがコツ。中盤からはボスキャラクターが操作できるようになり、さまざまな攻撃もしかけられる。
なんといってもステージ構成とアルゴリズムから逆算して、相手をハメ倒すというゲームデザインが秀逸だ。開発スタジオはフィリピンのKeybolで、現在iOS向けにβテストが行われている最中。数ヶ月以内に正式リリースされる予定だ。
◆『Zen Koi – 禅の鯉 – 静かな水の中の旅』
地元シンガポールのLandShark Gamesによる錦鯉育成ゲームだ。画面をタップしながら錦鯉を誘導し、さまざまな餌を補食していく。餌を食べると経験値が獲得でき、レベルアップすると錦鯉の能力値(器用さ・速さ・レア度)を上昇させられる。これ以外に池を拡張することもでき、最後まで拡張すると鯉を龍に変化させられる。
ゲームを進めていくと、雌の錦鯉も登場する。うまく鯉を誘導すると交配でき、産卵させられる。お互いの模様から子どもの錦鯉の模様が変化し、さまざまな鯉が育てられる。ゲームの目的は、300種類以上にも及ぶ錦鯉を育ててコレクションを充実させることだが、自分の好きなようにまったりとプレイしてもいい。日本画のようなグラフィックが秀逸で、ゲームオーバーも特に設定されていないので、癒やし効果も感じられる。
ちなみに同社は経営者が女性で「何かコレクション要素のあるゲームを作りたい」という思いから開発がスタートしたとのこと。国土が狭く戸建てを所有するのが難しいシンガポールでは、錦鯉を飼うのは日本以上に富裕層のステータス。そうしたお国事情も本作の開発には関係しているようだ。App StoreとGoogle Playで配信中。
■『Zen Koi – 禅の鯉 – 静かな水の中の旅』ダウンロードリンク
Google Play: https://play.google.com/store/apps/details?id=air.com.landsharkgames.zenkoi.android&hl=ja
AppStore: https://itunes.apple.com/jp/app/zen-koi-channo-li-jingkana/id896575207?mt=8
◆『Decolorize!』
ゲームは今や世界中で開発されており、カジュアルコネクトアジアは重要なハブの一つに成長している・・・。改めてそう感じさせれたのが本作だ。開発者のニコライ・ダビデンコ氏はロシア人でウラル山脈のあたりにある名もなき街(よく聞き取れなかった)の出身。にもかかわらず、みごとなパズルゲームを出展していた。
ゲームは一定ターン以内に特定のコマを除去していくパズルゲームだ。画面上には7×7マスにくぎられ、各々のコマに方向が示されている。あるコマをタップすると、方向に即してコマが削除されていき、画面外まで到達したらターン終了だ。消したマスには新しいコマが補充される。これを繰り返して色の付いたコマを削除していき、すべて削除できたらステージクリア。規定ターン以内にクリアできなければミスとなる。
画面上にすべての情報が表示されており、時間制限もないので、画面をじっくり見れば最善手に近づけることはできる。しかし補充されるコマはランダムなので、そうは問屋が卸さない。なによりコマを消したときの感触が心地よい。『テトリス』を彷彿させるような内容だ。App Storeで配信中。
■『Decolorize!』ダウンロードリンク
AppStore: https://itunes.apple.com/app/decolorize!/id980208310?ign-mpt=uo%3D5