カジュアルコネクトアジアではインディプライズショウケースに加えて、別途アイディアショウケースも実施される。どちらもインディ向けのゲーム展示コーナーだが、アイディアショウケースでは開発中のゲームやデモが展示されるのが特徴だ。全14タイトルのうち、完成度の高い3作を紹介しよう。
◆Alien Path (Appxplore / マレーシア)
公式サイト: http://www.appxplore.com/
2012年に魚がテーマのアクションゲーム『Lightopus』で鮮烈なデビューをかざったAppxploreの最新作が『Alien Path』だ。ゲームは主人公のエイリアンを操って敵のロボットたちを排除していくターンベースのアクションパズル。エイリアンの移動&攻撃とロボットからの攻撃を交互に繰り返しながら、画面上のロボットをすべて排除すればステージクリアだ。
本作の特徴がスワイプアクションだ。ゲーム画面は7×7マスのフィールドに区切られており、矢印やアイテムなどのタイルが散らばっている。プレイヤーは矢印タイルを任意に回転させながら移動ルートを設定し、エイリアンをスワイプして移動させながら、ロボットに体当たりするなどして攻撃していく。タイルには通過するとライフが回復する回復タイル、遠距離攻撃ができる射撃タイル、移動が終了する固定タイルなどがあり、一回の移動距離が長くなれば、それだけ攻撃力が増すことになる。矢印タイルをうまく回転させて移動ルートを設定するのがゲームのコツだ。
他に特殊攻撃がくりだせる仲間のエイリアンカードや、主人公エイリアンの成長要素、PVPによる対人戦なども組み込まれている。ビジネスモデルはF2P(基本プレイ無料)で、日本式のガチャシステムが組み込まれている点も特徴だ。ゲームエンジンはUnityで、α版までが3人で6~7ヶ月、β版が5人で合計1年と非常に少人数で開発されている。9月に東南アジアでソフトロンチを行い、年内にワールドワイドでリリースされる予定。日本語版の予定はないものの、直感的にプレーできるため、個人的に期待したい一作だ。
◆The Last Viking(Springloaded / シンガポール)
公式サイト: http://www.springloadedsoftware.com/
同じくシムシティタイプのゲーム『Pixel People』で知られるSpringloadedの最新作が『The Last Viking』だ。同社が得意とするドット絵スタイルは本作でも健在で、どこか懐かしく温かみのあるゲームに仕上がっている。ゲームはアクションRPGで、バイキング船を操って近海を略奪して回り、船や乗組員を強化していくというもの。武器を強化し、船を大型化することで、より遠くの街まで略奪して回れるようになる。
本作は操作方法がユニークだ。画面右下の「ROW」アイコンを押し、スラスターが「漕ぐ」エリアに移動したところで放すと船のスピードが増し、「矢印」エリアで放すと矢がリロードされる。左下の「弓矢」アイコンをタップすると上空から攻撃してくる敵に対して弓矢を発射できる。敵には投石機から放たれる岩石やドラゴンなどさまざまな種類があり、船を破壊されるとゲームオーバーだ。これらの攻撃をくぐりぬけ、街まで到達すると略奪・帰還できる。
実際にプレイしてみないとわかりにくいが、右手と左手で違う動きを要求され、視線も敵の攻撃にスラスターの移動と頻繁に上下させる必要があるため、けっこう忙しい。この忙しさが癖になるタイプのゲームだ。6月中にシンガポールでソフトロンチが行われ、その後にワールドワイドでリリース予定。
◆ZERO LEGEND(仮)(ALKEMiS GAMES / インドネシア)
公式サイト: http://www.alkemisgames.com/
ベンチャーキャピタルの投資を受け、2014年に設立されたばかりのALKEMiS GAMES。その第一弾タイトルが『ZERO LEGEND(仮)』だ。ゲームは『パズドラ』タイプのダンジョンRPGで、キャラクターにはそれぞれ6種類の属性があり、一回のクエストで三回バトルした後にボスキャラクターと対戦する部分も同じ。ただし、こちらは横スクロール形式の画面配置でパーティは最大5人。そして画面を覆い尽くすかのような巨大モンスターの攻撃が特徴だ。
バトルのコツは属性を使いこなすことで、ボスキャラクターの属性にあわせて最適なパーティを編成すること。何度もクエストをこなすうちに仲間のヒーロー(最大60人)が増え、多彩なパーティが編成できるようになる。クエストにはストーリークエストとデイリークエストがあり、集団戦(Guild vs Guild)ができるアリーナや、チャットシステムも実装される予定とのこと。近日中に東南アジアでソフトロンチが行われ、その後にワールドワイドでリリースを計画している。
2Dスタイルのアートもさることながら、人形劇のようなキャラクターのアニメーションがおもしろい効果を出している。ゲームエンジンにはcocos-2dx、キャラクターアニメーションにはSpineを使用したとのこと。開発チームは18人と、スタートアップらしからぬ大作ゲームでもあり、彼らの「本気度」に注目したい。