将棋の女流棋士で、『どうぶつしょうぎ』の作者としても有名な北尾まどか先生による『スバラシティ』攻略記事、最終回となる第五回は名人編、究極の高得点追求への道です!
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いよいよ最終編☆
バベルが建ったら、だいだいやり尽くしたなー、と思うのが普通かもしれません。
しかし、この連載は「完全攻略」がテーマ!!
というわけでトコトンやり込んでみました。
※かなりマニアックな内容になることを予めご了承ください。
完全攻略のためのラストチャレンジとして私が目標に掲げたのは、9999年までプレイする!!
そして、最高得点を目指す!!!!
上達してテクニックが身につくと、市長さんを増やすことができるようになります。
そうなればもう自由自在。お城だろうとバベルだろうと容赦なく壊せば、いつまでも続けることができます。
そう……永遠に……
バベルすらも破壊し、市長さんは未来永劫生き延びることができるのです。オソロシイ……。
9999年でカウンターは止まり、どれだけの時が経ったのかわからなくなりますが、突如転がってくる市長ボーナス。肝を冷やします……。
いよいよ、ラストチャレンジ。
最高得点を目指しましょう!!
バベル街建設へ!!
▲ハイレベルなバベルたち。これを街にズラリと並べたい!!
◆バベル街建設への心得
必要なのは根気と集中力です。
慣れてくるとついつい感覚でタップしてしまうのですが、きっちり読むこと!!
そして適度な休憩をとりましょう。
※私は長時間のプレイで眠くなり、うっかり寝落ちて白タイルをタップしたことが……(涙)
・市長を99まで増やす!!
バベル建設を始める前に、限界まで市長を増やしておく必要があります。
市長は99が最大値。(年数と違ってこれ以上蓄積されないようです。)
まずはこれを目指しましょう。
前回までのテクニックを復習し、先をしっかり読んでプレイすれば、市長を増やすことができるようになるはずです。
・期待値を考える
白ビルが11個以上つながったあとは、どこまで伸ばすべきでしょうか。
答えは白ビル18個。Lv27建設での+9市長が最大ボーナスです。
白ビル11~18個を作っては繋げて市長を増やし、ビルを壊し、これを繰り返して市長を増やしましょう。
市長はなるべく温存して大きな建物を作りたいところですが、どうしても消さないと続けられない時もあります。
なにかを消せば必ず白ビルが作れるor繋げられる、というケースは1市長費やしても元が取れます。
それが明確でないときは「1市長を使って1白ビル以上伸びる可能性」(期待値)を考えます。
見込みが薄い場合、深追いは禁物。
長い道のりですから、無理せず行きましょう。
・バベル建設を急がない
最高得点を目指すのであれば、途中のキラキラの豪華バベルの建設は無意味です!!
金バベルでも赤バベルでも市長は同じ+9。市長が最優先。
また豪華バベルはキープしておきたくなりますが、最高得点を目指すときめたなら、容赦なく壊しましょう。
市長を増やすには25マス全部を使ってプレイするほうが効率が良いです。
だんだんわかってくると思いますが、一マスの違いはとても大きいのです。
・黒バベルトライ
市長が99まで増えました。
いよいよ黒バベルトライ。
白ビルで埋め尽くす!!
増やした市長の使い時です。
あと少し!!
こうなったら”ヒキ”の勝負になります。
最後の最後は運。神頼みをしながら市長ボタンを押すことになります。
茶色タイルを消して、緑か黄緑が落ちてくるまで市長ボタンで壊し続け……
ついに完成!!
この時は99まで増やした市長を残り58まで使いました。
(私の経験だと、1回のバベルトライに30~50くらい市長を消費する感じがします。)
・市長の回復
黒バベル建設後は67市長になりました。
ここで次のバベルを目指してはいけません。
再び、市長を回復させるターンが必要です。
できれば99まで。
ここで手を抜くとあとで点数が伸びず悔やむことになります。
▲黒バベルのうしろの金バベルは市長集め用。このあと壊します。
・2本目の黒バベル
バベルトライ中の画像。真ん中を消して三色待ちという終盤の理想形です。
まず緑が完成。次に黄緑。最後に茶色が揃って完成。
こういう綺麗な形が作れると市長の減りが少なくて済みます。
☆検証・2本目の黒バベルは必要か?
最高得点を目指すなら黒バベルの建設が必須ですが、実は白ビル23個分。
盤上は25マスあるので、最後の最後までやらずに、残り2マスの段階でも黒バベルは立ちます。
黒黒青赤……と建てようとすると、毎回限界まで白マスを集めなくてはならず、市長をかなりたくさん消費するので、黒青赤白と一本ずつ並べていくほうが、余力をもって続けられるし、見た目に綺麗でいいかな、と思ったのですが、実際は点数が伸びませんでした。
▲検証画像。黒2本だと7億越えますが、黒一本から順番に並べても超えず。
☆気づいたこと
最近ふと気が付いたんですが、これって建物ごとに人口が決まっているんじゃなくて、いままで繋げた建物にいる人口を純粋に足したものなんですね。
(計算したことがないけど、おそらく。作者さんに会えたら聞いてみたい)
ということは、同じように見える白ビルでも、人口密度が違うわけで。
その集合体としてのバベルは見ためが同じでも人口(得点)は当然違ってくるはず。
つまりここまでの蓄積が全て凝縮されている……一手の無駄もないゲームなんですね。
さて、本題に戻ります。
2本目以降のバベルはどこに建てたらよいでしょう?
随分悩みましたが、私の最終的な答えは……
タテに並べることにしました。
理由は2つ。
・落ちてくるタイルをより多く見られる
・ヨコに並べるとバベルが邪魔で視認性が悪い。
高得点を目指すなら見た目の美しさは二の次です!!
タテ積みを続けてこんなことに。上のほうはもはや見えません。
ここで市長が尽きました。
人口は8億を越えましたが、以前Twitterで8.5億を超す画像を見たことがあります。
過去にバベル街を作ったとき、3つ目のバベルを建てて以降はフィールドが狭くて、どんなにがんばっても市長を増やすことができなかったのですが、その時よりも上達しているし、このタテ積みの形なら、ここからでも市長を増やすことができるのでは、と。
目標をバベルトライから市長集めに切り替えてプレイを続行します。
・ライバルからの挑戦状
ちょうどその頃。
ボードゲーム仲間のカナイセイジさんに会いました。
彼は世界中で有名なカードゲーム『ラブレター』の作者です。
「ねーねー、『スバラシティ』って知ってる?」
と紹介してみました。
デザイナーとしての才能だけでなく、プレイヤーとしても優秀なカナイさん。
すぐにハマってプレイをはじめました。
そして……ある朝、目が覚めるとカナイさんからのメールが届いていました。
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件名:戦いの終り
私のスバラシティはこれにて終了です。
ランキングってどうやって見るんでしょう。
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……。9億越え!!
そして、カナイさんの真に怖ろしいところは、これが『スバラシティ』をダウンロードして3日目の出来事だということです。
まさに天才!!おみごと!!
賞賛の嵐です。
しかし、
しかし、、、
この連載を書かせていただいているのに、あっさり抜かされるなんて……。
あまりに悔しい。(T-T)
負けず嫌いの性分が頭をもたげてきました。
私も勝負師としての意地があります。
その夜。
(# ̄▽ ̄#)
とうとう自己ベスト更新!!
溜飲がおりました。清々しい気分☆
長時間、スバラシティをプレイみて思ったのは、将棋の思考プロセスによく似ているなーということ。
手順の先読みは詰め将棋と同じだし、理想形を頭に描いて構想を立てていくところが、将棋の実戦と感覚的にとても近いと感じました。
ところで私は『どうぶつしょうぎ』を作ったときに、”シンプルで、奥が深く、何度も遊べるもの”、を目指しました。
『スバラシティ』は
・繰り返して遊べる。
・プレイするたび新たな気づきがある。
・やればやるほど上達する。だから楽しい☆
という良いゲームの条件が全て揃っています。
作者の桑木さんへ。
スバラシイゲームを創ってくださってありがとうございました。
(完)
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