コミック【とりあえず「ゲーム部!」】#13 で、仕様書は?

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監修・原案:「ゲーム部!」実行委員会
まんが:森宮鈴
コラム:イズミサワ

「ゲーム部!」実行委員会公式Twitter: @gamebu_info

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■TIPS ゲーム仕様書とは?

ゲームプランナーの回でも触れたが「ゲームの設計書」にあたるもの。
そのゲームに関する「すべて」の設定で、ルール、ゲームシステム、ゲームフロー、画面フロー、キャラクター設定、世界観設定、シナリオ、マップ、画面レイアウト等々。その他、作成が必要な画像リスト、サウンド・SEリストなど多岐に渡る。
それらを、必死で書類に起こしてイメージ。
プランナーがせっせと書いた仕様書をプログラマー、デザイナーに渡しても、「こんなんじゃわかんないよ!」と突っ返されるのは、よくあることである。

■ゲームプログラマが語る
「良い仕様書は、良い会話から」

花粉舞い散るこの季節。皆様無事にお過ごしでしょうか?
花粉デビュー歴五年、花粉界期待のルーキー、イズミサワで御座います。

いよいよ本格的なゲーム制作に取りかかろうとしていた「かねこ」達ですが、仕様書が無い!?
現実の開発現場でも日常的に見られる、なんとも悲劇的な場面でありますね。

「いっせーのーせ!」で、皆、共通の目標へ向かっていくことが出来れば良いのですが、現実にはチームの指針となる仕様書が必要です。
どんなゲームになっていくんだろう、どんな要素が必要になるだろう。そうした色々な事をまとめておく事により、チーム全員の持つゲームの最終形に対するイメージにブレが無くなります。

また、何をどれくらい作れば良いのかが明確となり、スケジュールも立てやすくなりますね。
さて、とは言え、「仕様書」とは一体なんでしょう?

通常、仕様書と言えば、
「これこれ、こんなデザインで、こんなメニュー画面で」
「これこれ、こういう主人公が、こんな攻撃やアクションで」
等といったように、イメージや機能を伝える為のグラフィカルな書類を指します。
だけど、ここでちょっと想像してみて下さい。
貴方の好きなゲームや、はたまた、貴方の考えている面白そうなゲームを、文書化するという作業を・・・。そう、「イメージを皆に伝える」という事は、結構難しいんですね。

仕様書に曖昧さがあれば、その分だけ、チームの成果物にもブレが出てくる可能性が高まってしまいます。かと言って、辞書のような緻密さで、膨大な文章を羅列すれば良いというものでもありません。

「伝わりやすい仕様書」を書くためにはテクニックが必要ですが、いきなり理想的な完成度を求めるのも難しいでしょう。
ここでは、僕たちプログラマが喜ぶ仕様書を作成する為の、ちょっとしたコツをお伝えします。

それは、結構シンプル。
いきなり理想的なものを書こうとせずに、「実現したいこと、トップ10」を箇条書きで並べ、それを持って相談に来て下さい。
まずは、そのリストを一緒に眺めながら、ここはこうしたら? これは、こうすると実現出来るよ?
そんな「会話」のやりとりをしてみましょう。
「良い仕様書」は、それから作っても決して遅くはありません。

 

【今回の登場人物】

ゲーム部かねこ
◆かねこ:性格は明るく活発で、負けん気が強い。楽しそうな事にノリでとびつくが、飽きっぽい。それで今までもさんざん失敗をしているが、こりてない。好きな漫画は「ハイキュー!!」
ゲーム部ゆってぃ
◆ゆってぃ:「かねこ」の事を慕っていて、いつもついて回っている。「かねこ」の行き先には必ず「ゆってぃ」あり。どこでもいっしょ、トイレもいっしょ。好きな漫画は「ふうらい姉妹」
ゲーム部ぐっちゃん
◆ぐっちゃん:数学の成績が学年トップの美少女。彼女に憧れる男子学生は多いが、容赦なく手厳しいセリフを浴びせるため、なかなか話しかける男子はいない。好きな漫画は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」
ゲーム部雄大
◆雄大:幼なじみである「ぐっちゃん」にくっついて情報学科に入学したものの、プログラムの成績は??? よくしゃべり、場を盛り上げるのが得意。ちなみにかなりのゲーム好きで、ファミコンソフトも多く持っているらしい。好きな漫画は「聖☆おにいさん」
ゲーム部将軍
◆将軍:幼なじみである「雄大」にくっついて、情報学科に入学。人間より動物としゃべるのが得意。普段はあまりしゃべらないが、突如、動物の鳴きまねをして周囲を驚かせることがある。好きな漫画は「コジコジ」

 
 
◆イズミサワ(コラム担当):幼少時代より幾星霜、三度の飯よりゲームが大好き、紆余曲折を廻り巡って、今ではとうとうゲーム造りが生業となっているゲームプログラマ。ゲーム制作の世界へログインしたまま早数十年、一度もログアウトした事はなし。好きな漫画は「藤子・F・不二雄 SF異色短編系全般」

(C)森宮鈴/「ゲーム部!」実行委員会

※この物語はフィクションなので、実在の学校・人物とは一切関係ありません。