監修・原案:「ゲーム部!」実行委員会
まんが:森宮鈴
コラム:イズミサワ
「ゲーム部!」実行委員会公式Twitter: @gamebu_info
■TIPS 制作スケジュールについて
ある程度仕様が固まってきたら、次は制作スケジュールを組む。
ゲームの完成形に至るに必要となる作業を洗い出し、各作業にどれぐらいの時間がかかりそうかを見積り、それを担当者ごとに、実カレンダー上で割り当てていく…というのが、ざっくりとしたスケジュールの作成方法。
ここでポイントとなるのが、1日の作業可能時間。
会社勤めしている人間であれば、1日あたりの作業時間は8時間前後(勤務時間)となるが、例えば学生であれば、制作に当てられる時間が3時間などと限られるので、同じ作業をするとしても、多く日数がかかる計算になる。
また、実際のカレンダー上で…というのは、土日祝日や、その他、学校行事等で作業のできない日が存在するため、それを考慮しておく必要があるためである。そうでないと、早々にスケジュールが意味をなさなくなってしまう。
制作スケジュールとは作業が予定通り進んでいるかの指標になるもの。
変更はつきものだが、完成までの過程をシミュレートしておくという意味でも、最初にスケジュールを組んでおくことはとても大切である。
■ゲームプログラマが語る
「スケジュールは計画的に」
通勤と開発のお供であった携帯音楽プレイヤーがとうとうお亡くなりに。
失ってみて初めて判る有り難さに、胸が張り裂けそうなイズミサワで御座います。皆様こんにちは。
一歩、また一歩と開発準備の進む彼らでありますが、「かねこ」はやる気に満ちあふれているようですね!
作りたいこと、表現したいものが沢山あればあるほどに、ついつい盛り込みすぎてしまう気持ちもわかりますがスケジュールとは文字通り、計画的に組んでいかなければなりません。
毎日、二十時間も作業していては、あっという間に健康を損ねてしまいますからね。
ゲーム開発というものは、驚くほど沢山の要素で構成されており、開発に先駆けてじっくりと順序立てたスケジュールを組んでいくことになります。
しかし、そうは言うものの、一体どんな順番で、どんな作業を進めて行けば良いのでしょう?
チーム開発におけるスケジュール作成で大切な事の一つは、その並列性の確保です。
「かねこ」達のように音ゲーを制作するのであれば、譜面が流れるタイミングを計って入力するゲームの基本部分。
実際に流れてくる音符等のグラフィック素材。音符タッチで現れる演出素材。そして実際のゲームミュージック。
色々な要素がありますが、これをどのような順番で制作する事にしましょうか?
ひとつ、悪いパターンとして例を挙げてみましょう。
プログラムがある程度出来るのを待ってから、グラフィック素材を作り、それを待って演出素材、最後に音楽選定。
この様な流れのスケジュールとしてしまうと、一つ前の作業を待たなければ、次の作業が開始出来ません。
誰かの作業を待たずとも、次の作業が開始出来るようなスケジュールが重要です。
ある程度基本的なプログラムが出来上がったら、平行してグラフィック素材を制作する事は可能です。また、同時に、演出素材にも着手出来るでしょう。
こうした、「並列性の高い」スケジュール作りを心がけましょう。
【今回の登場人物】
◆かねこ:性格は明るく活発で、負けん気が強い。楽しそうな事にノリでとびつくが、飽きっぽい。それで今までもさんざん失敗をしているが、こりてない。動物に例えると「ハムスター」
◆ゆってぃ:「かねこ」の事を慕っていて、いつもついて回っている。「かねこ」の行き先には必ず「ゆってぃ」あり。どこでもいっしょ、トイレもいっしょ。動物に例えると「うさぎ」
◆ぐっちゃん:数学の成績が学年トップの美少女。彼女に憧れる男子学生は多いが、容赦なく手厳しいセリフを浴びせるため、なかなか話しかける男子はいない。動物に例えると「猫」
◆将軍:幼なじみである「雄大」にくっついて、情報学科に入学。人間より動物としゃべるのが得意。普段はあまりしゃべらないが、突如、動物の鳴きまねをして周囲を驚かせることがある。動物に例えると「猿」
◆かもちゃん先生:新任の先生。担当科目は現国。着任早々「ゲーム部」を立ち上げ、生徒にゲームを作らせようとするなど、かなり強引。元々ゲームプランナー。動物に例えると「イノシシ」
◆イズミサワ(コラム担当):幼少時代より幾星霜、三度の飯よりゲームが大好き、紆余曲折を廻り巡って、今ではとうとうゲーム造りが生業となっているゲームプログラマ。ゲーム制作の世界へログインしたまま早数十年、一度もログアウトした事はなし。動物に例えると「カタツムリ」本家「ゲームプログラマは語る」ブログもチェックしてくださいね。http://iapp7.blog29.fc2.com/
(C)森宮鈴/「ゲーム部!」実行委員会
※この物語はフィクションなので、実在の学校・人物とは一切関係ありません。