『キングダム乱-天下統一への道-』の売上好調や、モータースポーツ事業 トムスの売上が利益に寄与。
株式会社モブキャストホールディングス(以下、モブキャストHD)は、平成30年12月期決算を2月13日(水)に発表した。当期連結経営成績については、売上高は72億4500万円(前期比119.4%増)、営業損失は5億3600万円、経常損失は6億3000万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は12億2100万円だった。
経営成績に関する説明
当平成30年12月期連結会計年度においてモブキャストHDは、平成30年4月1日を効力発生日とし、純粋持株会社体制へと移行し、商号を株式会社モブキャストからモブキャストHDに変更した。
また、会社体制の移行にあたり、モブキャストの主力事業であったゲーム事業を、新会社の株式会社モブキャストゲームスへ移管し、4月から営業中だ。
株式会社トムスについては、これまで築いてきたトムスブランドを活かし海外やネット販売などの販路を強化、商品アイテムの増加などの施策を実施。当第2四半期連結会計期間から連結対象にしており、報告セグメントは「モータースポーツ事業」としている。
3月に取得した株式会社ソーシャルキャピタル総合研究所(現:ソーシャルキャピタル株式会社)については、株式取得後の新たな経営体制への移行がほぼ完了しており、将来の事業計画をもとに、モブキャストグループに対する重要性が増すと考えられることから、当第3四半期連結会計期間より連結対象にしているが、本年度への決算への寄与度は小さいことから、報告セグメントはその他に含めている。
売上高については、モバイルゲーム事業の『キングダム乱-天下統一への道-』の配信開始による売上の増加、配信中の『モバサカCHAMPIONS MANAGER』の売上の通年寄与、モータースポーツ事業のトムスの売上高が加わったことで増加した。
連結営業利益に関しては、モバイルゲーム事業の売上拡大にともなう売上総利益の増加により、同事業の営業損失が縮小。加えてモータースポーツ事業のトムスの営業利益が寄与したことで、赤字が縮小した。
さらに、営業外収益として「消費税差額」723万円など、営業外費用として「為替差損」2678万円、「持分法による投資損失」2845万円などを計上したことで、経常利益の赤字も縮小。
以上の結果、売上高は72億4558万円(前期比119.4%増)、営業損失は5億3607万円(前年同期は営業損失12億1873万円)、経常損失は6億3099万円(前年同期は経常損失12億4204万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は12億2176万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失は13億4543万円)となった。
セグメント毎の業績は以下。
モバイルゲーム事業
前連結会計年度に引き続き、国内外の有力デベロッパーとの共同開発プロジェクトの推進と、それに伴う新規タイトルの共同開発、配信中タイトルの運営強化に取り組んだ。
海外パートナーとの共同開発プロジェクトについては、中国Capstone社との2作目のサッカーゲームタイトル『モバサカULTIMATE FOOTBALL CLUB』を、日本では8月29日に、中国では中国テンセントゲームス社がパブリッシャーとして9月12日にリリースした。
韓国ネプチューン社との共同開発タイトル『ナナカゲ~七つの王国と月影の傭兵団~』については、11月にクローズドβテストを行なうなど、配信に向けて着実に進展中だ。さらに『劇的采配!プロ野球リバーサル』の国内配信向けの開発、「幽☆遊☆白書」の国内版並びに中韓、東南アジア版のそれぞれを開発中だ。
既存タイトルの運営強化については、『キングダム乱-天下統一への道-』に同盟討伐戦を実装するなど、よりユーザーに楽しんでもらえるゲームになるよう、機能の充実に努めている。
一方で、グローバルアライアンス戦略に伴い固定費を削減するとともに、広告宣伝費4億5367万円の投下、共同開発タイトルの売上増加に伴う売上に連動するレベニューシェアの増加、回収代行手数料が増加した。
また、自社開発タイトル『【18】キミト ツナガル パズル』の譲渡、『モバプロ2 レジェンド』の他社との共同運営、開発中タイトル『LIP』の開発停止を決定。あわせて、運営中タイトルの将来計画の見直しを行なったことで減損損失と出資金評価損を計上した。
上記の結果、売上高は54億1547万円、営業損失は3億6886万円となった。
モータースポーツ事業
広告収益と事業収益を目的に、年間スポンサー契約の獲得や、レース参戦車両の技術開発により自動車用品への技術転用や商品開発に必要なデータやノウハウの蓄積のため、国内の主要な自動車レースカテゴリーに参戦中だ。
今年度は、国内随一の観客動員数を誇るSUPER GTシリーズにおいて年間ランキング2位、全日本F3選手権シリーズではドライバー、チーム、エンジンンチューナーといった主要3部門で年間タイトルを獲得するなど、好調な成績を記録した。
また、自動車レースでの上位入賞がもたらす常勝チーム「トムス」のプレゼンスの維持向上により、トムスブランド製品の品質をアピールし、商品開発車種の増加と海外販売及びネット販売等による販路拡大の基盤づくりを行なっている。
上記の結果、売上高は17億8044万円、営業利益は1億9981万円となった。