東宝、国内外で映画事業が好調 営業利益は約160億円 2020年2月期第1四半期決算

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映画事業で「コナン」「ドラえもん」といった自社配給作品や「アベンジャーズ/エンドゲーム」などが順調に稼働。営業事業や不動産事業でも増益。

東宝株式会社は、2020年2月期第1四半期決算を7月12日(金)に発表した。当期連結経営成績は、営業収入が677億4200万円(前年同四半期比2.3%増)、営業利益159億8800万円(同25.4%増)、経常利益161億1100万円(同24.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が110億200万円(同36.0%増)となった。

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経営成績に関する説明

今期の東宝グループは、主力の映画事業で、定番のアニメーション作品のほか、話題作を配給し、演劇事業においても様々な話題作を提供した。この結果、営業収入は677億4200万円(前年同四半期比2.3%増)、営業利益は159億8800万円(同25.4%増)、経常利益は161億1100万円(同24.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は110億200万円(同36.0%増)となった。

セグメントごとの経営成績は以下のとおり。

映画事業
製作部門で劇場用映画「アルキメデスの大戦」などを制作。「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」「キングダム」など、5本の映画の共同製作も行なった。

配給部門では、当第1四半期連結累計期間の封切作品として、東方株式会社の「映画ドラえもん のび太の月面探査記」「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」や、東宝グローバルプロジェクト作品の「名探偵ピカチュウ」「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を含む9本を、東宝東和株式会社などにおいて「バンブルビー」等の3本を配給した。

また、グループ内で、米国子会社の国際東宝株式会社(Toho International, Inc.)の重要性が増したことにより、当第1四半期連結会計期間の期首より連結の範囲に含めるようになった。これらの結果、映画営業事業の営業収入は147億3800万円(前年同四半期比12.1%増)、営業利益は43億8500万円(同72.6%増)となった。

映画営業部門と国際部門をあわせた収入は、内部振替額(7億7500万円、前年同四半期比67.4%増)控除前で179億7500万円(同34.0%増)で、その内訳は国内配給収入が152億8200万円(同29.9%増)、製作出資に対する受取配分金収入が4億1800万円(同22.1%増)、輸出収入が5億1400万円(同18.9%増)、テレビ放映収入が4億9300万円(同91.1%増)、ビデオ収入が3億9600万円(同90.1%増)、その他の収入が8億6900万円(同116.0%増)だった。また、映画企画部門の収入に関しては、内部振替額(4億7000万円、前年同四半期比27.1%減)控除前で13億4900万円(同6.7%増)となった。

映画興行事業では、TOHOシネマズ株式会社などで、前記配給作品の他に「アベンジャーズ/エンドゲーム」「グリーンブック」「キャプテン・マーベル」など、邦洋画の話題作を上映した。当第1四半期連結累計期間における映画館入場者数は、1259万3000人と前年同四半期比0.5%減となった。これらの結果、映画興行事業の営業収入は225億2000万円(前年同四半期比3.1%増)、営業利益は43億2400万円(同13.2%増)となった。

なお、当第1四半期連結累計期間中の劇場の異動はなかった。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で687スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっている。

映像事業では、東宝株式会社のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「累-かさね-」「億男」等を提供した。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」「映画ドラえもん のび太の月面探査記」をはじめとする当社配給作品及び「アベンジャーズ/エンドゲーム」などの洋画作品が順調に稼働した。アニメ製作事業では、映画「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」、TVアニメ「Fairy gone フェアリーゴーン」などに製作出資した。アニメ製作事業・実写製作事業においては「東宝怪獣キャラクター」などの商品化権収入に加え、製作出資した作品の各種配分金収入があった。ODS事業では「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the SystemCase.3 恩讐の彼方に__」「プロメア」等を提供した。株式会社東宝映像美術及び東宝舞台株式会社では、原価管理に努めながら、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務、及び大規模改修工事などを受注した。

これらの結果、映像事業の営業収入は71億4000万円(前年同四半期比17.2%減)、営業利益は14億4400万円(同14.7%減)となった。

なお、東宝株式会社における映像事業部門の収入は、内部振替額(6億8400万円、前年同四半期比12.1%減)控除前で54億5700万円(同25.5%減)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が11億4700万円(同59.5%減)、出版・商品事業収入が15億4700万円(同10.6%増)、アニメ製作事業収入が15億6600万円(同37.1%減)、実写製作事業収入が7億3300万円(同105.7%増)、ODS事業収入が4億6300万円(同93.0%増)だった。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入443億9900万円(前年同四半期比1.8%増)、営業利益は101億5300万円(同26.1%増)となった。

演劇事業
演劇事業では、東宝株式会社の帝国劇場において、3月「Endless SHOCK」が全席完売、4~5月「レ・ミゼラブル」が連日満席となった。シアタークリエにおいては、3月「VOICARION Ⅳ Mr.Prisoner」が大入り、3~4月「十二番目の天使」、4月「ライムライト」がともに好調に推移、4~5月「ジャニーズ銀座2019 TokyoExperience」は満席となった。日生劇場では3月「プリシラ」、4月「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」を上演し、その他全国へと社外公演を展開した。東宝芸能株式会社では、所属俳優がCM・TV・映画等で順調に稼働した。

以上の結果、前期と演目等の違いはあるが、演劇事業の営業収入は43億8200万円(前年同四半期比7.0%増)、営業利益は12億2100万円(同64.4%増)となった。

なお、東宝株式会社における演劇事業部門の収入は、内部振替額(3100万円、前年同四半期比37.9%減)控除前で38億9200万円(同4.6%増)であり、その内訳は、興行収入が32億7500万円(同0.9%増)、外部公演収入が5億8200万円(同32.8%増)、その他の収入が3400万円(同9.6%減)だった。

不動産事業
不動産賃貸事業では、東宝株式会社の「天神東宝ビル」が3月に開業。また、全国に所有する不動産が堅調に稼働し、事業収益に寄与した。東宝株式会社の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業において、映画・TV・CMともに順調に稼働した。

これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は73億8200万円(前年同四半期比2.6%増)、営業利益は35億7700万円(同12.4%増)となった。
企業集団が保有する賃貸用不動産の空室率については、一時的なテナントの入れ替えにより、0.3%台で推移している。企業集団の固定資産の含み益については、2019年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2877億円となっている。(※本情報開示時点までに最新の固定資産税評価額の入手が困難なため、一部に2018年1月1日の数値を使用。当該含み益の開示は「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から、従来より引き続き自主的に行うものとなる。)

なお、東宝株式会社における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(2億1800万円、前年同四半期比1.3%減)控除前で78億9700万円(同3.2%増)となった。

道路事業では、受注競争の激化や建設技能者の慢性的な不足などがあり、依然として予断を許さない状況が続くなか、スバル興業株式会社と同社の連結子会社が、原価管理の徹底によるコストの削減や業務の効率化による収益の向上に努めた。その結果、道路事業の営業収入は76億1600万円(前年同四半期比4.2%増)、営業利益は16億4000万円(同21.1%増)となった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理株式会社及び東宝ファシリティーズ株式会社が、労務費や資材価格の高騰、人員不足の常態化等により厳しい経営環境が続くなか、新規受注に取り組むとともにコスト削減努力を重ねた。その結果、営業収入は27億4300万円(前年同四半期比4.3%減)、営業利益は2億6800万円(同1.1%増)となった。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は177億4200万円(前年同四半期比2.1%増)、営業利益は54億8700万円(同14.2%増)となった。

その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業では、東宝共榮企業株式会社の「東宝調布スポーツパーク」、株式会社東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」、TOHOリテール株式会社の飲食店舗・劇場売店などで、ニーズを捉えた充実したサービスの提供に努力した。その結果、その他事業の営業収入は12億1600万円(前年同四半期比7.4%増)、営業利益は6200万円(同16.2%減)となった。

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