東宝、「天気の子」など映画事業の好調を筆頭に各事業が収益に貢献 営業利益335億円 2020年2月期第2四半期決算

東宝キャッチ

多数の話題作を生んだ映画事業をはじめ、演劇事業や不動産事業でも増益。四半期収益で過去最高の成績を達成。

東宝株式会社(以下、東宝)は、2020年2月期第2四半期決算を10月11日(木)に発表。当期の連結経営成績は、営業収入が1440億5800万円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益が335億3900万円(同32.8%増)、経常利益が345億7800万円(同31.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が228億8500万円(同35.8%増)となった。

東宝決算

当期の東宝グループは、主力の映画事業で、新海誠監督作品「天気の子」がメガヒットを記録したほか、多数の話題作や定番のアニメーション作品を配給して、演劇事業においても様々な話題作の提供ができた。

セグメントごとの経営成績は以下のとおり。

映画事業

映画営業事業の製作部門では、東宝において「天気の子」「名探偵コナン紺青の拳(こんじょうのフィスト)」「キングダム」などの11本、国際東宝(株)(TohoInternational,Inc.)において「名探偵ピカチュウ」「ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の共同製作を行い、東宝(株)において劇場用映画「屍人荘の殺人」などを制作した。

映画営業事業の配給部門では、東宝において前述の作品の他、「映画ドラえもんのび太の月面探査記」「映画クレヨンしんちゃん新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~」を含む15本を、東宝東和(株)などにおいて「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」「ペット2」などの9本を配給した。また、東宝グループでは、米国子会社の国際東宝(株)(TohoInternational,Inc.)を重要性が増したことにより、第1四半期連結会計期間の期首より連結の範囲に含めている。これらの結果、映画営業事業の営業収入は312億3200万円(前年同四半期比6.0%増)、営業利益は83億3200万円(同33.4%増)となった。

なお、東宝における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(25億1100万円、前年同四半期比121.0%増)控除前で364億5000万円(同34.2%増)であり、その内訳は、国内配給収入が291億3300万円(同27.7%増)、製作出資に対する受取配分金収入が16億900万円(同116.7%増)、輸出収入が20億1800万円(同83.8%増)、テレビ放映収入が11億2500万円(同75.0%増)、ビデオ収入が6億5000万円(同6.0%増)、その他の収入が19億1300万円(同53.0%増)だった。

また、映画企画部門の収入は、内部振替額(9億6500万円、前年同四半期比15.5%減)控除前で21億3000万円(同9.9%減)だった。

映画興行事業では、TOHOシネマズ(株)等において、前記配給作品の他に、「アラジン」「トイ・ストーリー4」など、邦洋画の話題作を上映した。当第2四半期連結累計期間における映画館入場者数は、2896万6000人と前年同四半期比10.5%増となった。

これらの結果、映画興行事業の営業収入は522億9600万円(前年同四半期比16.8%増)、営業利益は108億7700万円(同35.2%増)となった。

なお、当第2四半期連結累計期間中の劇場の異動はないとのこと。東宝グループ関連が経営するスクリーン数は全国で687スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっている。

映像事業では、東宝のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「映画刀剣乱舞-継承-」「マスカレード・ホテル」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「名探偵コナン紺青の拳(こんじょうのフィスト)」「天気の子」をはじめとする東宝配給作品及び「アベンジャーズ/エンドゲーム」「トイ・ストーリー4」等の洋画作品が順調に稼働した。

アニメ製作事業では、映画「名探偵コナン紺青の拳」「天気の子」や、TVアニメ「Fairygoneフェアリーゴーン」「Dr.STONE」等に製作出資し、「僕のヒーローアカデミア」など製作出資した作品の各種配分金収入があった。

実写製作事業では「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資した作品の各種配分金収入があった。

ODS事業では「プロメア」「海獣の子供」などを提供。(株)東宝映像美術及び東宝舞台(株)では原価管理に努めながら、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務、及び大規模改修工事等を受注した。これらの結果、映像事業の営業収入は151億5900万円(前年同四半期比1.1%減)、営業利益は37億5200万円(同39.3%増)となった。

なお、東宝における映像事業部門の収入は、内部振替額(24億4700万円、前年同四半期比62.7%増)控除前で131億9900万円(同2.6%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が28億2500万円(同35.5%減)、出版・商品事業収入が32億6600万円(同19.0%増)、アニメ製作事業収入が41億6600万円(同9.4%減)、実写製作事業収入が12億4100万円(同119.0%増)、ODS事業収入が17億円(同198.4%増)でした。以上の結果、映画事業全体では、営業収入は986億8800万円(前年同四半期比10.1%増)、営業利益は229億6200万円(同35.2%増)となった。

演劇事業

演劇事業では、東宝の帝国劇場において、3月の「EndlessSHOCK」が全席完売、4、5月の「レ・ミゼラブル」、6~8月の「エリザベート」がともに連日満席となった。シアタークリエにおいては、3月の「VOICARIONIVMr.Prisoner」が大入り、4~6月の「ジャニーズ銀座2019TokyoExperience」は完売、6月の「CLUBSEVENZEROII」は満席、7月の「SHOWBOY」は全席完売、8月の「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」は満席となった。日生劇場では3月「プリシラ」、4月「笑う男TheEternalLove-永遠の愛-」を上演し、その他全国へと社外公演を展開した。東宝芸能(株)では所属俳優がCM・TV・映画等で順調に稼働した。以上の結果、前期と演目等の違いはあるが、演劇事業の営業収入は87億3000万円(前年同四半期比5.0%増)、営業利益は24億6200万円(同93.7%増)となった。

なお、東宝における演劇事業部門の収入は、内部振替額(7600万円、前年同四半期比8.6%減)控除前で78億1800万円(同4.7%増)であり、その内訳は、興行収入が62億8700万円(同6.8%増)、外部公演収入が14億3600万円(同4.4%減)、その他の収入が9400万円(同24.1%増)だった。

不動産事業

不動産賃貸事業では、東宝の「天神東宝ビル」が3月に開業した。また、全国に所有する不動産が堅調に稼働し、事業収益に寄与いたしました。東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに順調に稼働した。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は147億7800万円(前年同四半期比1.8%増)、営業利益は65億9900万円(同3.9%増)となった。

企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率については、一時的なテナントの入れ替えにより、0.5%台で推移している。企業集団の固定資産の含み益については、2019年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2877億円となっている。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うもの。)

なお、東宝における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(4億3400万円、前年同四半期比2.7%減)控除前で157億5200万円(同1.8%増)だった。

道路事業では、受注競争の激化や建設技能者の慢性的な不足等があり、依然として予断を許さない状況が続くなか、スバル興業(株)と同社の連結子会社が、原価管理の徹底によるコストの削減や業務の効率化による収益の向上に努めた。その結果、道路事業の営業収入は140億8700万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益は27億800万円(同44.7%増)となった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理(株)及び東宝ファシリティーズ(株)が、労務費や資材価格の高騰、人員不足の常態化等により厳しい経営環境が続くなか、新規受注に取り組むとともにコスト削減努力を重ねた。その結果、営業収入は53億3100万円(前年同四半期比2.1%減)、営業利益は5億1700万円(同4.0%増)となった。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は341億9700万円(前年同四半期比4.3%増)、営業利益は98億2400万円(同12.7%増)となった。

その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業(株)の「東宝調布スポーツパーク」、(株)東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」、TOHOリテール(株)の飲食店舗・劇場売店等で、ニーズを捉えた充実したサービスの提供に努力した。その結果、その他事業の営業収入は24億4100万円(前年同四半期比6.7%増)、営業利益は1億300万円(同3.5%増)となった。

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