電通、二次創作など「n次創作」や流通における正当なインセンティブ設計の共同研究を開始

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n次創作流通による新規ユーザーの呼び込みを評価する新システムなど、新しいマネタイズの可能性を追う共同研究プロジェクト。

株式会社電通(以下、電通)は、ブロックチェーン技術を活用して“n次創作”を正しく管理することで、原著作者とn次創作者の双方がインセンティブを受け取れる仕組みなど、新たなマネタイズを研究する共同プロジェクト「n次流通プロジェクト」を、株式会社電通国際情報サービス、株式会社VOYAGE GROUP、シビラ株式会社、株式会社角川アスキー総合研究所(以下、角川アスキー総合研究所)、株式会社朝日新聞社、スタートバーン株式会社と行なうことを発表した。

n次流通プロジェクト

現在、ニュースやマンガ、アニメなどのコンテンツにおいて、著作権が認められているのは基本的に作者などの原著作者(一次創作にかかる権利)のみであり、あるコンテンツを元に別の新しいコンテンツを創作する「n次創作」に関する権利は認められていない。

一方、n次創作によって一次創作流通時を超えた新規ユーザーの呼び込みが発生することがあり、ユーザー層の拡大に貢献するケースが増加している。しかしながら、現状の著作権や流通システムでは正しく評価する仕組みが整備されていないことから、「n次流通」が経済活動に組み込まれることはなかった。

このことを踏まえて、電通の研究開発施設である「電通イノベーションイニシアティブ」は、原著作者ら一次創作者と連携して、原著作者とn次創作者の双方が受け取るインセンティブについて設計を行なうことで、コンテンツの新しいマネタイズの可能性を検討する共同研究の開始を決定。

電通は、n次創作における付加価値の定量評価手法とメディア価値評価アルゴリズムの開発、各種権利処理やn次創作者へのインセンティブ設計に関する実効性評価などを行ない、角川アスキー総合研究所は現著作者の著作権とn次創作者が享受するインセンティブの配分バランスの検討、ビューワーサービスを通じた実証実験への協力などを行なう。

n次流通概念

n次流通概念

2020年には、実証実験としてブロックチェーン技術を活用した「n次流通に関与したユーザー及び製作者への正当なインセンティブ設計」「コンテンツの価値を高めるn次創作活動の啓発」「信頼できるコンテンツとユーザーの関係性の定義」を行なうことも予定されている。

ターゲットコンテンツはマンガ(コマ単位もしくはページ単位)からはじめ、その後映像コンテンツに対象を拡大予定。これらのサービスは、角川アスキー総合研究所が運営する「ePub viewer for twitter」を通じて実施される予定となっている。

n次流通モデル

実証実験で想定するマンガコンテンツのn次流通モデル

関連サイト

株式会社電通公式サイト
株式会社角川アスキー総合研究所公式サイト

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