事業拡大中のエンタープライズ事業で収益増加も、エンターテインメント事業で、顧客企業の開発遅延や延期などにより収益減少。
株式会社デジタルハーツホールディングスは、2021年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月11日(火)に発表した。当第1四半期連結累計期間の売上高は50億9329万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は1億5858万円(同16.4%減)、経常利益は1億9433万円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9926万円(同11.8%減)だった。
経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の影響による、リモートワークの推進や発熱時の出勤停止、アルコール消毒液やマスクの配布などの感染防止策の周知徹底をはかりながら、安定的にサービスが提供できる体制を構築した。
こうした取り組みが奏功したことで、エンタープライズ事業にて需要が拡大しているシステムテストやセキュリティサービスの案件を着実に獲得した。エンターテインメント事業では、顧客企業の開発遅延や延期などにより、一時的に需要が減少した。
セグメント別の業績は以下。
エンターテインメント事業
当第1四半期連結累計期間のデバッグサービスでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を鑑みて、「密集・密接・密閉」の3密になるリスクを低減できるような体制に変更するとともに、テスターが在宅でデバッグの一部を行なえる「リモートデバッグ」を新たに開始するなど、感染防止を徹底しながらも安定的にサービスを提供できる体制の構築につとめた。
また、全国各地に展開しているテストセンターであるLab.の統廃合を推進するなど、コストコントロールの強化に取り組んだ。しかしながら、顧客企業におけるタイトル開発に一部遅延や延期が発生するとともに、海外におけるロックダウンの影響などから、デバッグや翻訳、ローカライズの需要が一時的に減少したことで、売上高は30億2310万円(前年同期比12.2%減)となった。
クリエイティブサービスでは、モバイルゲームの市場環境の変化による厳しい受注環境が継続するなか、営業力や提案力の向上につとめ、新規案件を獲得するとともに、各プロジェクトの採算管理を徹底することで、利益体質の維持につとめてきた。その結果、売上高は3億1155万円(前年同期比11.2%減)となった。
メディア及びその他については、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて、国内イベント関連の案件受注や中国を中心とする海外企業からの「4Gamer.net」への広告掲載が減少した。その一方、カスタマーサポートサービスは、安定的に案件を獲得したとのこと。その結果、売上高は2億3498万円(前年同期比1.5%減)だった。
上記の結果、エンターテインメント事業の売上高は35億6964万円(前年同期比11.5%減)、セグメント利益は5億1717万円(同28.9%減)となった。
エンタープライズ事業
当第1四半期連結累計期間のシステムテストサービスでは、テストエンジニアを増強するため、引き続き中途採用や社内育成を積極的に実施するとともに、フリーランスエンジニアやパートナー企業等の外部人材の活用に向けた新たなビジネスモデルの構築につとめた。
また、アライアンスを活用し、SAP社が提供する統合基幹業務システムの導入支援サービスの提供を開始するなど、今後需要の急速な拡大が見込まれる市場に対し、最適なサービスを拡充した。その結果、売上高は7億8814万円(前年同期比83.1%増)だった。
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発サービスが引き続き好調に推移するとともに、セキュリティ監視サービスにおいて新規顧客の開拓が順調に進展した。その結果、売上高は7億3551万円(前年同期比40.4%増)となった。
上記の結果、エンタープライズ事業の売上高は15億2365万円(前年同期比59.6%増)、セグメント損失は2152万円(前年同期はセグメント損失1億8400万円)だった。
関連サイト
株式会社デジタルハーツホールディングス公式サイト
2021年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期第1四半期決算説明資料