【台北ゲームショウ2015】『キャンクラ』とはひと味ちがう、オリジナルの3マッチパズル『森林英雄』

 もはや「パクリゲー」の粋を超えて、ひとつのジャンルにまで成長した感のある『キャンディクラッシュ』のようなゲーム郡。このレッドオーシャン中のレッドオーシャンに対して、果敢にも攻めこんでいるインディーズゲームが『森林英雄』だ。とはいえ、いくつかオリジナルの要素も見られたので、紹介してみたい。

 本作はサルをはじめ、森の動物や果物などをフィーチャーした3マッチパズル。通常この手のゲームでは画面上のユニットをスライドして隣接するユニットと回転させ、3マッチを完成させて消していく。しかし本作では画面の一番上に3つの待機ユニットがランダムで出現し、これを任意の地点に直接タップして置き換えていく。ここが最大の特徴だ。

森林英雄01

 なおこの時、3マッチが完成しない場所にユニットを配置してもかまわない。そのため連鎖消しを前提とした「積み込み」がしやすくなっている。また最初から画面いっぱいにユニットが表示されているため、落ちものパズルのような「気がつけばユニットがあふれてゲームオーバー」といった心配もない。ユニットの配置に時間制限はあるものの、1つ目のユニットを配置するまではタイムが進行しないため、じっくりと考えることもできる。ちょっとしたアイディアだが、ゲームのプレイ感覚が決定的に異なっているように感じられた。

 なお横または縦に一列、5個以上のユニットを同時に消すと、どんなユニットともつながって消すことのできる万能ユニット「サル」に変化させられる。また十字状に5個のユニットを同時に消すと、周囲を巻き込んで破壊する爆発アイテムにさせられる。このほか縦一列、横一列をまとめて消せる特殊ユニットも存在する。これらをうまく使いながら、制限ターン以内に条件をクリアすればステージ制覇となる。

 このほか画面下には課金で増やせるアイテムスロットも存在する。アイテムには「タップしたユニットを爆発ユニットに変えられる」「ランダムで出現する待機ユニットを変更する」「タップしたユニットを『サル』ユニットに変える」「制限ターンが2ターン増える」の4種類がある。総じて『キャンディクラッシュサーガ』の持ち味である、ギリギリのゲームバランスには欠けるものの、よりカジュアルにプレイできる印象を受けた。

森林英雄02

 ちなみに開発元のNASA8Fは中国・福建省のアプリ企業。社員は全部で6人(CEO、プロジェクトマネージャー、プログラマ2名、ゲームデザイナー2名)で、ゲームエンジンにはUnityを採用。グラフィックはすべて外注とのことだ。この規模で外注というのも驚かされるが、本作のように仕様がきっちりと決まりやすいタイプのゲームなら、そのほうが効率的なのだろう。

 ゲームの説明をしてくれたリュアン・スーさんは元ITエンジニアで、ゲームを作りたくて現在の企業に転職してきたという。残念ながら中国以外では配信をしておらず、パブリッシャーを探して出展したとのことだ。世界のどこでもゲームを作りたい人の情熱は同じなのだと感じさせられた。

NASA8F